循環経済促進法が来年1月施行へ
出所: 中日传播网 作者:大野木 昇司 更新時間: 2008-9-28 0:00:00
循環経済促進法が来年1月施行へ
生産者拡大責任制も盛り込まれる
8月29日、省エネとリサイクルの一層の促進をめざす内容を盛り込んだ「循環経済促進法」が採択され、2009年1月より施行される。同法には、中国の循環経済の発展を促し、資源利用効率を引き上げ、環境を保護?改善し、持続可能な発展を実現するといった大きな役割が期待されている。
中国は2005年より同法の起草に着手し、数年間にわたる検討の結果、今回の第11期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第4次会議で承認を受け、胡錦濤国家主席の署名を経て公布された。
さて、中国における「循環経済」とは、全人代環境?資源保護委員会の倪岳峰?副主任委員(全人代常務委員)によれば、生産?流通?消費のプロセスに加えられる減量化?再利用?資源化などの活動を指す総称であり、そこから「資源―生産物―再生資源」と「生産―消費―再循環」モデルを構築することによって、効果的な資源利用と環境保護を実現していくという。この概念は日本でいう「3R(リユース、リデュース、リサイクル)」や「循環型社会」に近いものと考えられる。
今回採択された法律では、その循環経済を促進させるための一連の制度が制定された。これらの制度には、循環経済の計画制度、資源浪費の抑制と汚染物排出量の制御に向けた制度、循環経済の評価と審査の制度、生産者を主体とした拡大責任制度、高エネルギー消費?水消費企業への重点的な監督管理制度、経済措置の強化等が含まれている。
?生産者を主とする拡大責任制
同法の特色の一つに、生産者を主とする拡大責任制度に関する規定がある。「生産者を主とする」との表現は、輸入企業をも対象とするためである。従来の法律では、生産者は単に製品の品質にのみ責任を負うとした。しかし同法では、生産者は製品廃棄後の回収?利用?処分などの責任を負わなければならない。生産者の責任は、単なる生産?使用の段階から製品廃棄後の回収?利用?処分の段階まで拡大した。強制回収対象の製品や包装物を生産する企業には、使用済み製品や包装物の回収責任があり、そのうち利用可能な場合、生産企業による利用が義務付けられている。それに伴い、製品の設計に対しても再利用しやすさが求められる。
特に中国の中秋節には定番の「月餅」に代表される、過度の包装による資源浪費や環境汚染は早くから問題視されており、今後は解体?回収が容易で、無毒無害な材料や製法による包装を義務付けるという。
生産者が、販売業者やその他の組織による回収を委託する、または廃棄物利用?処理業者に委託して利用?処分する場合、受託側は関連法律や行政法規の規定?契約に基づいて、回収?利用?処分の責任を負うものとし、さらに消費者側でも、使用済み製品や包装物を生産者や委託回収業者などの機関に引き渡すことが義務付けられた。国務院の関連部門は強制回収製品の目録と管理規定を制定することを規定している。
?省エネ排出削減の取り組みも包括
同法は、製品のリサイクルだけでなく、先進的な省エネ、節水、資源節約への取り組みの奨励にも言及している。原油の精製プラントや発電所、鉄鋼プラントでは、石油を浪費するボイラー等の使用を中止し、天然ガスなどクリーンな代替燃料にするよう求めた。また、企業や政府部局に対して、新設の建物ではソーラーや地熱などの再生可能エネルギーを導入するよう命じている。このほか、炭鉱廃棄物や石炭灰などをリサイクルして広範に利用することを企業に要求し、農家や地方当局に対しては、トウモロコシの茎や家畜の糞などで発生させたメタンガスを利用することを推奨するとしている。
?奨励?罰則措置も導入される
同法では、リサイクル技術の革新を推奨するため、中央政府が企業に対して資金を提供することも規定されている。省エネ技術や機器を導入?採用する企業に対しては税制上の優遇措置を適用するほか、循環経済発展特別資金の設立、科学技術開発に対する財政支援、税制優遇、資金?金融面での支援、循環経済発展に有利な公定価格?費用徴収?保証金などの制度、政府調達と表彰奨励制度などが具体的に明記された。
その一方で、罰則措置も盛り込まれた。地方政府の担当部門がこの法律に違反する行為の取締りを怠った場合、上級部門から改善命令を受けたり処分を受けたりすることが規定された。また、この法律の規定に違反した行為を行った事業者などに対し、それぞれの罪状に応じた罰金を払うことなども規定されている。例えば、廃棄目録リストに入った設備、材料または製品を使用した場合には、5~20万元の罰金を課し、それらを輸入しようとする場合には、税関が輸出先に返却するよう命じると同時に、10~100万元の罰金を科すとしている。
?詳細は今後の関連政策に持ち越し
ところで、同法は全般的に指導や促進に関する規定が多く、拘束力のある規定は少ないことから、従来の「循環経済法」から「循環経済促進法」に名称を改めたという経緯がある。中国における循環経済の取り組み自体がまだ初期段階だということもあり、今回制定される法律の内容は基本制度の骨組みにとどめ、細部については今後試験的に検討していくという。
強制回収製品について、基本管理制度の第15条で「強制回収目録リストに入った製品や包装物の生産企業は、その廃棄したものを回収しなければならない」と定められた。家電製品がその目録リストに含まれるかについては未定であり、今回の家電回収義務化は見合わせる方向である。環境汚染物質の使用についても、「電気製品などは有毒有害物質目録リストに入った物質の使用を禁止する」とされたが、目録リストの内容は明らかにされていない。同法とは別に電子通信製品汚染抑制管理弁法(別称中国版RoHS)がすでに施行され、6種類の物質の使用制限が近く始まる見込みである。
そのほか、都市住民の生活用水、電気、ガスなど資源型製品に対する国の累進的徴収制度の実施規定は、水道会社の管理コスト増や節水による収入減という理由から、地方政府に対し、実情を踏まえて水の累進的価格制度を実施するよう要求するにとどまっている。
他にも、この法律で詳細に規定されていない内容については、別途定められている、または今後定められる別の法律、条例、弁法、基準、通達などによることになる。現在、中国政府は、循環型経済を構築する計画や大型水資源消費企業への管理政策など300件あまりの法律法規の制定と修正に取り組んでいるという。今回成立した法規が、どこまで循環型経済発展を「促進」させられるかは、今後制定される政策しだいといえる。
作者:大野木 昇司