誤解だらけの「反日」デモ報道
出所: 世研调查网 作者:世研调查网 更新時間: 2008-4-30 0:00:00
--高井 潔司 北海道大学大学院国際広報メディア研究科教授
6月初め遅ればせながら、「反日」デモで揺れた上海に行ってきた。総領事館を訪ねたが、割れた窓ガラスなどが放置されたままで痛々しい。まだ損害賠償が交渉中のためという。
だが、それ以外の場所ではデモの後遺症を全く感じなかった。日本レストランの看板も、堂々と「日本」という文字が躍っている。飛行機内がかなり空いていて、デモの影響が相当深刻だろうと思い、上海に到着したので意外だった。
持病の腰痛を引きずって来たので、夜、ホテルの近くのマッサージ店を訪れた。店内唯一の先客は日本の若い女性だった。従業員が、日本人の客が来た場合、どう呼んで応対したらいいか、教えを請うている。「お姉さん、お兄さんがいいかな」と、女性。店主は「日本人客が多いから日本語を勉強しないと。日本人は礼儀正しいからね」と、極めて友好的な会話が続く。女性が帰った後も従業員同士で「日本人は仕事がまじめだから」など日本礼賛を続けていた。こんな店に女性が一人で来ていること自体、驚きだ。
一体あのデモは何だったのか。当地の専門家は、日本側の誤解も多いと指摘する。愛国主義教育のせいだというが、中国人自身そんなことを意識している人は少ない。「3つの代表」思想などの学習キャンペーンも浸透しなくて、党は困っているという。日本では中国政府がやらせたとか、黙認したとかいう見方があるが、対日関係で、デモをいったん許せば、反体制デモに転化することを党自身が自覚しているという。
ならば、改めてなぜか。それは党が見通しを誤ったからだと指摘する。上海のデモは、事前に許可のないデモに出るなと呼びかけていた。まさかここまで広がるとは当局も予想しなかった。警備の警官は見習いばかり。それに今回のデモの多くの参加者は外資系企業に勤める大卒1、2年の若者だった。外資系企業には党の支部はなく、党の指導力が及ばない。
彼らはインターネットをよくするが、そこでは一方的な日本情報しか手に入らない。そして北京でデモがあり、北京に負けてはいけないという意識に加え、中国外務省スポークスマンの強い姿勢をデモ容認と受け取ってしまった――と説明する。誰が組織者かもわからぬまま、人民広場に集まり、面白がって友人に呼びかけ、参加者が膨れ上がった。野次馬も多い。
再燃の恐れはないのか。「当局は押さえ込んでいるが、靖国参拝反対は共有されている。日本側の動き次第でしょう」という。危険の芽はやはりある。
出所:社日中友好协会(2005年6月25日号)
http://www.j-cfa.com/news/focus/05-06-25.html